米フェイスブック はここ10年、大半の期間を通じ巨大な無法者のように振る舞ってきた。ライバル企業を押しつぶし、他社の最高のアイデアを奪い取ったり、丸ごと買収したりして、ソーシャルメディアの世界で圧倒的地位を固めてきた。ここに来て、かつて虐げられた企業が反撃に出ている。事情に詳しい複数の関係者によると、フェイスブックの事業慣行を巡る米連邦取引委員会(FTC)の反トラスト法(独占禁止法)調査の一環で、競合他社や過去に競争関係にあった企業がFTCに対し、フェイスブックの容赦ない戦術について語っている。メッセージアプリ「スナップチャット」を運営する米スナップもそうした企業の1つだ。関係者によると、同社の法務部は長年、威勢のいい新興企業を封じ込めるためにフェイスブックが講じてきた手法を記録してきた。この文書は「ハリー・ポッター」に登場する宿敵の名を冠し、「プロジェクト・ヴォルデモート」と呼ばれている。