NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」第5話 に登場した、鵜沼城主・大沢次郎左衛門 (C)NHK
歴史はエンターテインメント!かしまし歴史チャンネルへようこそ。大河ドラマ『豊臣兄弟!』第5話では、信長の“美濃攻略”が始まりました。秀吉・秀長兄弟は鵜沼城主・大沢次郎左衛門を調略します。ひげ面が印象的な大沢次郎左衛門(演:松尾諭)は、実在した人物なのか、それともドラマのフィクションなのか?そして、『太閤記』に描かれた、秀吉の「人たらし」エピソードとは。(かしまし歴史チャンネル/川合章子)
ひげ面の鵜沼城主・大沢次郎左衛門は実在の人物?
大河ドラマ『豊臣兄弟!』第5回「嘘から出た実」で、木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が織田信長の命を受け、調略に成功すれば侍大将に取り立てると約束される――そんな印象的な場面に登場するのが、鵜沼城(うぬまじょう)の城主・大沢次郎左衛門です。
実は、大沢次郎左衛門は、実在しなかった可能性もある人物。しかし、完全なフィクションキャラなのかというと、そう簡単に言い切ることも難しいのです。
大沢氏そのものは実在した一族で、美濃から尾張北部、木曽川流域にかけて勢力を持った、在地土豪でした。中世文書にも「大沢」を名乗る武士は数多く見られますし、鵜沼周辺は、斎藤氏と織田氏の勢力がせめぎ合う境界、いまでいう「国境紛争地帯」のような場所でした。そのため、近年よく知られるようになった「国衆」という、小規模ながら独立性の高い武士たちが、多数存在していました。そうした武士として、大沢次郎左衛門という人物が実在した可能性は、十分に考えられるのです。
さらに、江戸時代に編纂(へんさん)された系譜集『寛永諸家系図伝』には、斎藤道三に仕え、その娘を妻とした人物として、大沢の名が記されており、完全な創作キャラとも言い切れないのが実情です。
もっとも、ドラマや軍記物に描かれた、大沢次郎左衛門と秀吉のエピソードについては、ほぼすべてが後世の創作で、フィクションといっていいでしょう。







