3週間、社長が入院したら…

能作:今から20年ほど前、下血が続いて、3週間の入院を余儀なくされたことがあります。

――そんなことが! そんなに休むと、会社はどうなるのですか?

能作:当時の僕は専務として現場で働き、NC旋盤のプログラムを組んでいました。
 僕が入院すると切削加工が止まってしまいます。
 そこでやむなく、見習い中の新人に僕の代わりを任せることにしました。
 他に人がいないのですから、しかたがない。
 退院後、新人は僕にこう言いました。

専務がいなくてよかったです(笑)。
 教えてくれる人がいないから、すべて自分でやるしかない。
 おかげで、プログラムの組み方を短期間でマスターできました。
 専務の入院は無駄にはならなかったです(笑)」

 そして、その新人がベテランとなり、今度は新人にプログラムを教える立場になっていったのです。