文氏の外交政策によって、韓国は国際世論から孤立しつつあるようにみえる。その証拠に、米国も韓国を相手にしなくなっているようだ。

 10月15~17日に実施された一部の世論調査によると、文大統領の支持率は39%に落ち込んだ。支持率が40%を下回ったのは初めてだ。文氏を支持してきた市民団体などにとっても、経済運営をはじめとする文氏の政策は容認できなくなりつつあるのかもしれない。

 日韓の関係がさらに冷え込めば、輸出入を中心に韓国経済にはさらなる下押し圧力がかかるだろう。状況によっては、韓国経済が自律的な回復を目指すことが難しくなる可能性も排除できない。

 徐々に、文氏もこうしたリスクに気付き始めたのかもしれない。秋口以降、文氏の対日批判は幾分かトーンダウンしてきた。また、同氏は、今回のわが国の天皇即位礼の機会に、李洛淵(イ・ナギョン)首相に安倍首相への親書を託した。文氏は自らの対日政策に少なからぬ不安を抱き、修正を目指し始める兆候の可能性がある。

 すでに韓国の経済界は文氏の政策を期待しなくなっている。文氏が反日姿勢を強めれば、経済界と保守陣営が共闘して、本気で政権交代を目指す展開も想定される。文氏はそれを避けなければならない。

 日韓関係がどうなるか先行きは楽観できないものの、日本にとって日韓関係の修復を目指すチャンスが到来する可能性はやや高まっているようだ。日本は、できるだけ国際世論の支持を維持しながら、冷静に文政権の動向を見守ればよい。文政権の姿勢が本当に変化するのであれば、その機会を逃すことなく日韓関係の修復に努めるべきだ。

 ただ、文大統領に大きな期待をかけることは禁物だ。これまでの経緯を振り替えれば、同氏は全幅の信頼をおける政治家ではない。とにかく冷静に、地に足を付けて、じっくり韓国の状況を見ることが必要だ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)