韓国経済の先行きが不透明化しているPhoto:PIXTA

韓国経済の先行き懸念が
一段と鮮明化

 足元で、輸出の減少傾向などを受け韓国経済の先行き懸念が一段と鮮明化している。それに加えて最側近であったチェ前法相に対する世論の強い批判もあり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対する支持率が低下している。

 本来であれば、文氏は反日姿勢を強め左派陣営の支持を得たいところだろう。しかし、日韓関係が一段と冷え込むと、そのマイナスの影響によって文氏の経済運営は行き詰まりかねない。支持率の低下に歯止めがかからないと、韓国における文氏の立場そのものが危機的状況に直面することも考えられる。

 一方、文氏が大統領就任以来、反日姿勢とともに重視してきた北朝鮮との融和・統一構想も行き詰まっている。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、米国との交渉を進め、制裁の緩和や解除への道筋をつけたいと考えているはずだ。同委員長にとって、韓国を相手にする必要性も余裕もないだろう。

 そうした状況を反映して、文大統領は徐々にではあるが対日姿勢を修正する必要性を気にし始めた兆候のようなものがみえる。それは、ある意味では、わが国が日韓関係を修復する重要なチャンスとなるかもしれない。冷静に韓国情勢の変化を見守る必要がありそうだ。