90歳で連続最高益!キヤノン御手洗冨士夫の「怪」進撃、若手にない「2つの武器」とは社長交代の記者会見をするキヤノンの御手洗冨士夫 Photo:JIJI

昨年90歳になった御手洗冨士夫氏は、日本を代表するメーカー企業・キヤノンのトップに君臨し続けている。90歳にもなる経営者と聞くと、高齢を理由に否定されがちだ。しかし、彼の場合は違う。キヤノンは連続最高益を記録していて“絶好調”なのだ。なぜ“高齢”が武器になるのか。(イトモス研究所所長 小倉健一)

なぜ90歳になっても経営トップでいられるのか

 キヤノンという日本を代表する精密機器メーカーの頂点に、1人の男が君臨し続けている。御手洗冨士夫。2025年に90歳を迎えたこの経営者は、2026年3月に社長職を退き、代表権のある会長CEOとして引き続きグループを統治する。

 このニュースに接した当初、いよいよ御手洗氏も現役を退くのかと受け止めたが、そうではなかった――というか、本当にびっくりした。社長職は譲るものの、これからは「会長CEO」なのである。

 世間一般の感覚からすれば、90歳といえば隠居して久しい年齢である。しかし、御手洗氏は違う。世界的な大企業のかじを取り、数万人の従業員とその家族の生活を背負い、組織を牽引している。

 多くの人が疑問に思うだろう。「なぜ90歳になっても経営トップでいられるのか」と。

 結論を先に言おう。

 さまざまな「年齢とリーダーシップ」の調査・研究に照らし合わせると、政治家における超高齢化はリスクは高いと論じるものも多い。

 しかし、ビジネス、特にキヤノンのような巨大企業を統治する場合、御手洗氏のような超高齢リーダーは「肯定」されるべき合理的理由がある。忖度や慣習などではない、極めてシビアな経済合理性が存在しているのだ。