過激派組織「イスラム国(IS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者が、米特殊部隊の攻撃を受けて死亡した。これでイスラム過激派の脅威が終わったわけではない。しかしこれは米国の対テロ戦略の重要な勝利であり、今後に教訓を与えるものだ。ドナルド・トランプ米大統領は27日朝、ホワイトハウスで「彼は胸が悪くなるような邪悪な男だったが、もはや存在しない」と語った。トランプ氏によれば、米軍はバグダディ容疑者の動きを「数週間にわたって」監視し、夜間に急襲をかけた。バグダディ容疑者はシリア北部イドリブ付近のトンネルに追い込まれ、自爆用のベストを爆発させた。トランプ氏が「危険で大胆な」作戦と呼んだこの攻撃で、米兵の死者は出なかった。失敗し犠牲者を出すリスクを必然的に伴うこの急襲作戦を承認したことは、トランプ氏の功績だ。バグダディ容疑者の死は、残虐な行為に彩られた彼の経歴から判断して、まさに正義を行ったという点で重要だ。そして今回の出来事は、他のジハーディスト(イスラム聖戦主義者)らに対し、彼らが勝利を得ることはなく、バグダディ容疑者と同様にトンネル内で、あるいは爆弾の爆発によって死ぬ運命だと伝えることになった。
【社説】バグダディ容疑者死亡の教訓
収監者の尋問、同盟勢力、前方展開した米軍部隊が攻撃を成功させた
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