ドナルド・トランプ米大統領とその再選を目指す選挙陣営は、過激派組織「イスラム国」(IS)の最高指導者が米軍の急襲作戦で死亡したことにすかさず乗じ、トランプ氏の指導力をアピールするとともに資金調達のてこにしようと動いている。トランプ氏は28日にシカゴの警察署長らに向けた演説で、IS最高指導者のアブバクル・バグダディ容疑者について「彼は死んだ、完全に死んだ」「何年も前に殺害されるべきだった。別の大統領がやるべきだった」と述べた。IS最高指導者の死亡は、シリアからの米軍撤退を決めたことへの批判や弾劾調査に直面しているトランプ氏にとって明るいニュースとなっている。トランプ陣営でかつて同氏の側近だったサム・ナンバーグ氏は「実にドナルド・トランプらしい」と述べた。「ものすごい批判を受けるようなことをすると、翌週にはなぜか素晴らしいことが起こる」。米軍の急襲を説明したトランプ氏の生々しい表現が批判されていることについては、「米国国民に響く」言葉だとして大統領を擁護した。