レバノンのサード・ハリリ首相が29日、辞意を表明した。景気が低迷する中で腐敗を糾弾する100万人規模の抗議デモが2週間近く続き、辞任を求める声が強まっていた。テレビの生中継でハリリ氏は、レバノン大統領府に行き辞表を提出すると表明。「手詰まりだ。事態を打開するには大きな衝撃が必要だ」と述べた。ハリリ氏は経済改革を打ち出したものの、街頭デモを収束させることができなかった。レバノンではドルに加え、電力や水も不足している。シリア難民の流入も事態の悪化を招いていた。ハリリ氏の父親は元首相で、2005年に自動車爆弾で暗殺されている。