インドの首都は大気汚染がここ数年で最悪のレベルに達している。街は厚いスモッグに覆われ、問題に取り組むとの政府の公約もむなしく、例年通り公衆衛生上の緊急事態宣言が出された。週末には視界不良のため、数百本の航空便が迂回(うかい)や遅延、キャンセルとなった。4日は学校やオフィスが休みとなり、当局は悪化する大気質を改善するため緊急措置に奔走した。学校や大学、病院、地方の商店に数百万枚のマスクが配布された。ニューデリーは人口2000万人超の巨大都市で、数年前から毎年、気温が下がる季節になると厚いもやに覆われている。自動車や石炭火力発電所の排ガス、建設現場や道路から巻き上がるほこり、近隣州から流れ込む穀物収穫後の畑を焼く煙が原因だ。ヒンズー教の祭り「ディワリ」を祝う花火や爆竹がそれに続き、デリーはまたたく間に大気汚染が世界で最も深刻な都市と化す。