若者の車離れで、厳しい状況が続く中古車業界。しかし、近年ではエコカー補助金や、消費増税前の駆け込み需要が重なり、市場拡大の可能性が見えつつもあるという。そんな追い風が吹いている中古車業界だが、一方で昔からクレームの多い業界としても知られている。現場で実際に起きたトラブルを、現役販売員に聞いた。(清談社 中村未来)
納車直後に故障…
中古車販売店「あるある」
中古車販売店のトラブルで最も多いのが、納車直後の故障。「中古車あるあるで、これは頻繁にあります」というのは、都内の中古車販売店で働く浜本涼介さん(仮名・29歳)。
「前日まではなんともなかったのに、納車した直後に故障するということは、結構あります。タイミングが悪いなぁ…というのが本音です」
過去には、納車当日にエアコンが壊れて、修理するのに40万円かかることになったケースもあった。
「お客様の納得いかない気持ちはよくわかりますが、中古車のリスクは事前に説明しているので、買った直後に故障しても、店としてはどうすることもできないんです。リスクを軽減させるためには、納車前に整備を依頼するとか、保証をつけるなどの方法がありますが、『安く買える』という中古車のメリットが薄まってしまうので悩ましいところではあります」
機械モノの中古である以上、いつどのタイミングで修理が必要になるかはわからない。ただ、故障トラブルについては、マニュアル化されているため、そこまでもめることはない。本当に厄介なのは、納車前のトラブルだと浜本さんは言う。