中国の検索エンジン大手、百度(バイドゥ)が期待のバリュー株となったのは朗報だ。一方で悪い知らせは、この「中国版グーグル」がもはやグロース株ではないことだ。バイドゥが6日引け後に発表した7-9月期(第3四半期)決算で、営業利益は前年同期からほぼ半減した。だがそれは厳しい予想を覆すのに十分な内容だった。米ナスダック市場の時間外取引で株価は4%上昇した(7日の通常取引では13.5%高と急伸)。予想を上回った大きな理由はコスト削減だ。7-9月期の売上高に対して販売・一般・管理費は17%と、前年同期の20%から低下した。昨年のピーク時から時価総額が3分の2近く減ったバイドゥには今や十分な価値がある。同社は約110億ドル(約1兆2000億円)の正味現金と短期投資を保有する。このうち10億ドルは最近、オンライン旅行会社「トリップ・ドットコム」の株式を売却して手にしたものだ。残るトリップ株の12%と、傘下の動画配信大手「愛奇芸(iQiyi)」の株式57%を合計すると95億ドル相当となる。同社の主力である検索事業は7-9月期だけで約10億ドルのフリーキャッシュフローを生み出したが、その価値は170億ドルということになる。