頼んだはずのものがなかなか来ない。なんとなく遅れて来る気がする。本当に来るのか心配。とりあえず経過だけでも知りたい。
誰でも、催促したくなるときがある。
しかし、催促はあまりしたくないものだ。されて気分が悪くなることがあるからだ。あんまり急かすなと。
美人は催促がうまい。催促されて気分が悪くなるどころか、きちんとしているんだなと思う。気分がよくなり、本当に急いでやろうと思うのだ。美人だから頑張るのではなく、催促のしかたに表れている。
催促のうまさ。それは粘度で表すとわかりやすい。うまい催促は粘度が低い。サラリとしている。シンプルで言葉は少なく、しかも応援してくれている。さわやかな風が吹いた感じ。厳しさと共に笑顔で短くだ。
粘度が高い催促はつらい。ネットリとした催促だ。しつこくからみついて、急ごうにも動けなくなってしまうような催促。いやな気持しかつくらない。
何がネットリをつくるのか。それは催促する側の事情をあれこれ伝えることである。誰かが急に怒り始めたとか、上司にしつこく聞かれているとかという話から、自分の家庭の事情の話など関係ないことまで次々出てくる。ずっと困った顔をしている。困った話を共有させようと必死。そしてたいていしつこい。困った話を無理やり押しつけられたら、急ぐこともできなくなってしまう。
その困った顔は「美人のもと」を減らしていく。「美人のもと」がドロドロになって出ていってしまう。
こちらには関係ない話をされるたびにネットリしてくるのだ。困った話は自分の話として、伝えるときは、急いでほしいことだけを伝えればいいのだ。相手に関係ない話は絶対にしないことだ。「美人のもと」もサラサラにして循環させるべきだ。