つみたてNISAでも非課税期間の途中に売却すると、非課税枠は復活しない仕組みなので、長期の持ち切り投資を奨励する仕組みになっている。しかも、商品の手数料コストは低水準だ。

 金融庁が公式に述べているわけではないが、つみたてNISAの創設は、一般NISAが当初期待した長期投資の普及にはつながらずに、分配金が大きく同時に手数料も高い投資信託の販売や、投信・株式の頻繁な売買など、金融機関の「手数料稼ぎ」に使われたことに対する反省に基づいているように思われる。

 この点では、つみたてNISAは長期の積立投資なので失敗しにくいし、低コスト商品を長期保有する模範的な投資を促す制度になっている。金融機関としては率直に言ってもうけにくいが、投資に前向きな顧客づくりを行う上で利用価値のある制度だ。

 余談になるが、今般、保険や投信の不適切な販売で問題を起こした日本郵便などは、つみたてNISAのような地味な制度の普及を通して、顧客の信頼回復を目指すといいのではないかと筆者は思う。

つみたてNISAへの一本化なら
期待したい「増枠」

 建前上「それは、困る」のだが、一般NISAが延長されないとすると、選択肢が失われる点で、投資家にとってマイナス要因であることは間違いない。何らかのプラス要因で補ってほしいところだ。

 適切な措置は、つみたてNISAの増枠ではないだろうか。1カ月当たり5万円、年間60万円程度までの増額を期待したい。

 仮に、厚生年金に加入しているサラリーマンを考えると、iDeCoの掛け金を年間27万6000円まで拠出できる。これに、つみたてNISAを年間60万円使うことができると、年間87万6000円の投資が可能だ。所得の中からどの程度将来に向けて投資を行うかは人それぞれだが、仮に手取り所得の20%を投資に回すとして逆算すると、438万円の手取り所得となる。この金額は勤労者の手取り所得としては平均を上回るが、「金持ち優遇」といえるほどの所得水準ではない。