つみたてNISAが「よくできている」4つの理由

急拡大する「つみたてNISA」

 日本経済新聞によると、毎月一定額の投資信託を購入する、積み立て投資の普及が急拡大しているという(「日本経済新聞」電子版、2月24日付け「積み立て投資に勢い NISAなど150万口座に」)。

 特に、今年から始まった「つみたてNISA」の申込件数は、1月末時点で約38万口座と、2014年に始まっていた「一般NISA」の積み立て投資口座数に並んだほか、課税所得がある層には掛け金が所得控除されるため、NISA以上に税制上のメリットが大きく、2017年から対象者が一気に拡がった「iDeCo」(個人型確定拠出年金)の加入者数(74.4万人)の半分以上に及んでいるという。

 つみたてNISAは、(1)対象投資額が年間40万円まで(積み立ての月額上限は約3万3000円程度)、(2)運用益非課税期間が20年、(3)積み立て投資に限定、(4)対象商品を金融庁が現時点で百数十本に厳選(主に公募の投資信託で、販売手数料ゼロ、低水準の信託報酬、毎月分配型でないなど、「長期投資に向いた商品」が条件)、などかなり個性的な条件を備えている。

 日本経済新聞の大手金融機関に対する聞き取り調査によると、つみたてNISAの口座開設者は、20代から30代の若年層が全体の52%を占め、40代まで含めると81%に達するという。長期的な投資で資産形成を目指す若年層にアピールしたことは、制度の設計・運営者である金融庁の狙い通りといえる。