天皇陛下の即位の礼に合わせて恩赦が行われた。そして今後、もう一つの特別恩赦が行われる。今年1月下旬までの出願期限で、「刑を受けたことが社会生活上の障害となっている」と主張して認められれば、喪失・停止されている資格を復権できる。だが、その中には児童への性犯罪の前歴がある医師や看護師なども含まれているとみられ、対応が求められる。(NPO法人「人身取引被害者サポートセンターライトハウス」代表 藤原志帆子)
政府は今年10月18日、天皇陛下の即位の礼に合わせて恩赦を行うことを閣議決定した。
閣議決定されたのが、即位の礼のわずか4日前というスピードには驚かされた。これだけの短期間で、国民のどれほどの人たちが、恩赦の詳細について理解できただろうか。
今回は2種類の恩赦が行われる。
一つ目は「復権令」。罰金刑を受け、納付から3年以上経過した約55万人が対象で、これまで制限されていた医師などの資格が回復することだ。なお、犯罪歴がなくなることではない。
二つ目は「特別基準恩赦」。これは、罰金刑を受けた人のうち、罰金の納付から3年を経過していなくても、「刑を受けたことが社会生活上の障害となっている」と主張すれば恩赦を出願し、喪失・停止されている資格を復権できるものだ。
いずれの恩赦も罰金刑を受けた人たちが対象となる。
その中には、児童買春、児童ポルノ、盗撮、痴漢などの性暴力も含まれる。そうした犯罪者たちが国家資格等を取り戻し、再び子どもと接する職場に戻るかもしれないのだ。