5年前、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はある高校球児を約1年間にわたって取材し、野球を通して見える日本社会を伝えた。そこには投手の「投げ過ぎ」問題と向き合い、時には周囲から反発を受けながらも父と共にプロを目指す異端児の姿があった。当時、高校3年生だった立田将太投手は小・中学校で全国制覇を成し遂げたものの、あえて強豪校には進まず地元の奈良県立大和広陵高校に入学した。2年の春の選抜大会で甲子園のマウンドに上がったが、夏の甲子園出場はかなわなかった。3年時の夏の奈良大会では準決勝で現巨人の岡本和真を擁する智弁学園に敗退している。