2020年米大統領選の民主党候補を決める予備選は、ジョー・バイデン前副大統領が黒人有権者の支持を固める中、対立候補らはその牙城を崩せないまま選挙に突入する可能性がある。3月に予備選を予定し、多くの代議員が割り当てられている南部の州では、有権者の中で黒人が重要な一角を占めている。2008年にはバラク・オバマ氏、2016年にはヒラリー・クリントン氏がこれらの州で圧勝し、多くの代議員を獲得した。全国的に見ても、民主党予備選は黒人票が大きな影響力を持つことが示された。民主党予備選ではアイオワ州、ニューハンプシャー州、ネバダ州、サウスカロライナ州が2月末までに投票を終えるが、中でも2月29日開催のサウスカロライナ州は黒人が有権者の大部分を占める。バイデン氏の側近などによれば、同氏の陣営はサウスカロライナ州が予備選の鍵を握ると考えている。最初の3州のいずれかを落としてもサウスカロライナ州で勝利すれば、代議員の大半が争われる3月に向けて勢いづくためだという。