Photo:JIJI
横浜DeNAベイスターズの監督を務めた中畑清氏の決め台詞といえば「絶好調!」だ。明るいキャラクターのイメージだが、実は本来は繊細な人だったようだ。明るい言葉を叫ぶ中畑氏の行動の狙いは、ビジネスパーソンも見習うべきところがある。(イトモス研究所所長 小倉健一)
本人の努力で生まれた「お祭り男」のイメージ
プロ野球の試合が終わり、勝利チームの選手がお立ち台に上がる。マイクを向けられた選手が、満面の笑みでこう叫ぶ。
「絶好調!」
スタジアムは歓声に包まれ、テレビの前のファンもまた、明るい気持ちになる。
昭和から平成にかけてのプロ野球を知る世代であれば、この光景はあまりにも馴染み深いものだろう。読売ジャイアンツの中心選手として活躍し、後に横浜DeNAベイスターズの監督も務めた中畑清氏のことだ。
現役時代のプロ野球選手としての実績もさることながら、中畑氏といえば、とにかく明るいキャラクターとして記憶されている。どんな時でも前向きで、チームの雰囲気を底上げするムードメーカー。多くの人が抱くイメージは、天真爛漫な「お祭り男」といったところではないだろうか。
しかし、ビジネスの最前線で戦う読者諸氏にこそ知っていただきたいのは、中畑氏の底抜けの明るさが、単なる生まれつきの性格によるものではなかったという事実だ。それは、過酷なプロの世界で生き残るために、緻密に計算され、強力な意志によって維持されていた「技術」だったのである。
この事実は、埼玉県を地盤に関東地方でスーパーマーケットを展開するヤオコーの会長、川野幸夫氏が記した著書によって詳しく語られている。
ヤオコーといえば、増収増益を長きにわたり続け、業界内で「日本一強いスーパー」と称される優良企業だ。川野会長の母であり、ヤオコーの実質的な創業者ともいえる川野トモ氏の言葉やエピソードをまとめた一冊の中に、中畑氏に関する非常に興味深い記述がある。







