韓国実業界は家族関係で成り立っている。時代遅れの経営手法が急速に変わることを期待している投資家は、期待外れに終わるだろう。韓国の大手財閥ロッテグループの旗艦企業ロッテの株価は、19日に創業者で名誉会長の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名=重光武雄)氏が死去してから9%急伸している。次男でグループ会長の辛東彬(ドンビン、日本名=重光昭夫)氏が野放図に広がるロッテ帝国の抜本改革に乗り出すとの期待感が背景にあるようだ。創業者の死によって万一、2人の息子の権力闘争が再燃すれば、株価に追い風が吹く可能性ももある。東彬氏は5年前に兄・辛東主(ドンジュ、日本名=重光宏之)氏が企てたクーデターを阻止し、会長職を引き継いだ。ただこれまでのところ、東彬氏の支配体制は盤石のようだ。