――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  ドナルド・トランプ米大統領は一般教書演説の中で、経済を大統領再選戦略の前面に押し出し、中心に据えた。今回の演説には、大げさな部分もあったが、トランプ氏が示した経済面の主張はしっかりしたもので、明らかに政治的訴求力があった。  経済成長は、目覚ましいとは言えないが着実だ。失業率は過去50年間で最も低い。賃金上昇は最も高給の人々だけでなく広範な労働者にまで行き渡っている。トランプ氏が自らの成果と指摘するこうしたトレンドの多くは、大統領に就任する前から始まっていた。