ニトリは婦人衣料専門店「N+(エヌプラス)」を本格展開する。2033年に売上高 3兆円を掲げる同社にとって、衣料は家具インテリアに次ぐ柱に育成する事業ととらえているようだが、衣料品市場は外資が撤退したり、国内の大手アパレルメーカーが店舗を大量に閉鎖する方針を示すなど、まさにレッドオーシャン市場。ニトリに勝算はあるのか。(流通ジャーナリスト 森山真二)
ニトリが展開する
婦人衣料専門店「N+」
東京都立川市にあるショッピングモール「ららぽーと立川立飛」にニトリの「N+」はある。昨年10月にオープンした店舗だ。
訪問したのは休日の午前だったが、入店しているお客の数はまばらで、一見それほど流行っているという感じではない。
しかも店舗のどこにも「ニトリ」を示す表示はない。ニトリの頭文字「N」という表記だけだ。ファッション衣料専門店としてのブランドイメージを構築するためだろうか、ニトリ色を前面に押し出し、ニトリと同系列であることを知られるのを避けている感じだ。
「N+」はすでにホームページ(HP)も開設され、EC(電子商取引)展開もされている。HP上では商品はカラー別にカテゴライズされており、例えば「ネイビー」「ブラウン&ワインレッド」というように、お客が好みのカラーに合った商品が選べるようになっているが、店頭ではそれほどカラーごとにこだわっている見せ方ではなかった。