森山真二
「ファミマのスウェット」なぜ人気?コンビニの常識破り“2990円の高値”でも売り切れるワケ《あのときの話題を再発見》
ファミリーマートが昨年12月に発売したスウェットが好評だ。SNSでは一時「売り切れが続出している」といった報告が相次いでいた。ただし同商品は2990~3990円と、コンビニ商材の中では飛び抜けて単価が高い。ユニクロなどの競合がひしめく中、なぜファミマのスウェットは早くも顧客の支持を勝ち取ったのか。小売業界に精通するジャーナリストが考察する。

「販売体制が整えられない」ことを理由に、セブン-イレブンが「100円生ビール」(正式名称:ちょい生)の提供を断念してから早6年。店内でのオペレーションを練り直す時間は十分にあったはずだが、他の大手チェーンを含め、今もなおコンビニ店頭で生ビールは売られていない。販売すれば大ヒットが見込めると思われるが、何がネックになっているのか。生ビールを売れない状況下で、最近になって一部コンビニが始めた「注ぎたての酒を売る」秘策とは――。

ドン・キホーテが今春、昔ながらの「混沌とした店づくり」を再現した店舗を大阪にオープンした。光るカー用品やカラコンなどの「ヤンキー向け商品」を取り扱っているほか、今では珍しい深夜営業を実施している。その裏側で、東京・渋谷では、プライベートブランドを重点的に取り扱う新型店舗「ドミセ」がひっそりと閉店した。開店から1年未満での撤退である。ドンキの新型店舗が不発に終わり、原点回帰が進んでいる要因はどこにあるのか。小売・流通業界に詳しいジャーナリストが考察する。

コンビニの「レジ横ドーナツ」と言えば、今から8~9年ほど前にブームを巻き起こしたものの、勢いを継続できずに雲散霧消したと考えられていた。しかし、である。実は最近、セブン-イレブンが一部店舗のレジ横で再び売り出していたことが分かった。関係者は「あくまでテスト販売で、すでに終了している」と口を閉ざすが、なぜセブンは期待外れに終わったドーナツの復活を目指すのか。その意図を探った。

「無人コンビニが普及し、手ぶらで決済できる時代が来る」。そんな報道が盛り上がったのも今は昔。無人コンビニが日本国内を席巻する日は未だ到来せず、実証実験ばかりが繰り返されている。それどころか「セルフレジ」すら使われず、有人のレジに客が並んでいる様子を目にすることも多い。なぜ無人コンビニはいつまでたっても普及しないのか。その背景にある「二つの理由」を明らかにする。

ファミリーマートが昨年12月に発売したスウェットが好評だ。SNSでは一時「売り切れが続出している」といった報告が相次いでいた。ただし同商品は2990~3990円と、コンビニ商材の中では飛び抜けて単価が高い。ユニクロなどの競合がひしめく中、なぜファミマのスウェットは早くも顧客の支持を勝ち取ったのか。小売業界に精通するジャーナリストが考察する。

飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していたドラッグストア業界に異変が起きている。成長の原動力となっていた「格安食品で集客し、薬品・化粧品で儲ける」という勝利の方程式が崩れ始めているのだ。その背景にある「2つの理由」を、豊富な取材経験を持つジャーナリストが解説する。

セブンイレブンが2023年秋から、一部店舗で「コンビニ紅茶(入れたて紅茶)」の試験提供を始めた。今後は「3年で1000店」に拡大する計画だと報じられている。だが、コーヒーと比べると、日本人は紅茶を飲む習慣があまりない。そのため「本当にヒットするのか」と懐疑的な消費者もいるだろう。だが筆者は、コーヒーの次に“来る”のは紅茶だと断言する。その理由とは――。

今から8~9年ほど前。コンビニ大手はこぞってレジ横にドーナツ売り場を設け、オリジナルのドーナツを売り出した。人気チェーン「ミスタードーナツ」からシェアを奪う可能性も指摘され、経済誌には「ドーナツ戦争」の文字が躍った。だが、今ではコンビニの店内から什器(じゅうき)は消え去り、「戦争」の勝敗は鮮明になっている。そもそも、なぜコンビニ各社はドーナツに参入したのか。そして、なぜ期待外れに終わったのか。要因を解き明かしていく。

日用品大手・花王の一部製品が首都圏地盤のスーパーマーケット・オーケーの店頭から、「仕入れ価格値上げの申し入れ」を理由に撤去された。原材料価格やエネルギー価格などが高騰し、インフレ懸念がある今日でも、「小売りの安売り体質」は変わらない。この体質を許した“犯人”は一体誰なのか。

最近、ユニクロがさえない。既存店売上高の前年同月比は落ち込み、株価も下落基調。ZARAやH&Mなど欧米ブランドから後れを取っている。ユニクロ失速の「真の要因」と、欧米ブランドを打ち破る“秘策”を探った。

首都圏地盤の食品スーパー・オーケーは、関西地盤の「関西スーパーマーケット」を巡り、エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)と争奪戦を繰り広げた末、敗北した。それでも、自力で関西進出すれば“勝算”はある。その理由とは。

コンビニエンスストアから「おでん」が消える?――。コンビニといえば、おでんは付き物。冬の風物詩にもなっている。それが今、撤去が相次いでいる。おでんに代わって台頭しそうなのが、“あの商品”だ。コンビニのレジ横を巡る戦いに迫った。

続々とディスカウント型の食品スーパーが誕生している。8月、埼玉県飯能市に、スーパー業界の優良企業であるヤオコーがディスカウント型の新店をオープンした。なぜヤオコーがディスカウント型を出店したのか。コロナ禍で激変するディスカウント型食品スーパーの最前線に迫った。

ドラッグストアが正念場を迎えている。食品の安売りで業績を伸ばしてきたドラッグストアだが、最近様子がおかしい。「それほど安くない」(50代主婦)という声も聞く。何があったのか。

セブンイレブンはロフトやダイソー、ローソンでは無印良品など、コンビニの店内に異業種の乱入が相次いでいる。背景には、コンビニ本部の“焦り”も見え透ける。その裏事情に迫った。

ドラッグストアの生鮮食品大戦争が勃発している。ドラッグストアではこれまで、食品は安売りして集客の手段として扱われてきた。だが、売り場に生鮮食品が並ぶチェーンが増加しているのだ。ドラッグストアの垣根を超えた「領海侵犯」に、生鮮食品を主力とする食品スーパー、さらにコンビニも主力部門である食品が脅かされかねない状況になってきている。

開けてビックリ玉手箱――。今の世の中、欲しい商品があるのなら、ネット通販のサイトで「今すぐ買う」のアイコンをポチっと押せば済む時代。ところが「何が届くか分からない」という、アニメなどのグッズのサブスクリプション型のサービスがひそかに黎明期を迎えている。そんなサブスクのサービスは、新たな買い物体験として消費市場に息吹を吹き込むことになるのだろうか。

冷凍食品にどんなイメージを持っているだろうか。「最近はがぜん、おいしくなったよな」「常時、安売りをしている」。こんなところだろうか。しかし従来、流通業界ではチルド食品や生鮮食品の補助的な役割だった冷凍食品が表舞台に顔を出し始めている。冷凍食品売り場はどう変わっているのか――。

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、傘下に入れたユニーを「ドンキらしくない方法」で、テコ入れを始めている。
