中国が新型コロナウイルス感染症「COVID-19」との戦いの準備に入った際、同国政府は国有企業に対し「無条件で、どんな代償を払っても」活動を強化せよと指示した。1月下旬に出されたこの指示の説明を受けた当局者が明らかにした。今回の感染症大流行の中心となった武漢では、中国建築股份(中国建築)が2カ所の病院建設のため2万人の建設労働者とエンジニアなどを呼び集めた。他の国有企業は電力や建設資材を供給した。これにより1000床の病院と1600床の施設が約10日間で開設された。中国の経済的苦境に対処するため、国有企業は電気料金や賃貸料を引き下げた。国有銀行各行は何千億ドルもの低金利融資を開始した。中国共産党の指導者は、苦境に直面すると同国の巨大な国有セクターに依存する。2008年の金融危機の際に利用されたこの戦略は、中国がCOVID-19流行の経済的打撃の一部を緩和する助けにもなっている。これは一方で市場志向の経済からの後退ペースを速める恐れがある。