投資家はここ数年、より高い利回りを追い求め、高リスク企業は記録的な額を借り入れてきた。その高リスク社債市場に、深刻なひっ迫の兆しが現れ始めている。  規制当局やエコノミストは、2008年の金融危機を乗り切って以降、社債市場が過度に膨張したと指摘している。その規模やリスクの高さから、同市場の問題が新型コロナウイルス危機による経済的打撃を増幅させかねないと懸念する声が高まっている。  長年の低金利と金融緩和で企業が多額の資金を借り入れられるようになった結果、10兆ドル(約1100兆円)もの記録的な債務が積み上がった。貸し手はそのほとんどが期限内に返済されると期待している。