米事務機器大手ゼロックスは米パソコン・プリンター大手HPに対する敵対的買収を断念した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、債務が膨らむ経営統合を遂行する余力がなくなっている。  ゼロックスは31日、300億ドル(約3兆2250億円)超の株式公開買い付け(TOB)と、HP取締役の交代を巡る委任状争奪戦の双方に終止符を打つと発表した。公衆衛生上の危機や、それを受けた市場の混乱を考慮し、買収の遂行はもはや賢明ではないと判断した。  ゼロックスによる買収の取り組みは5カ月前に始まった。