ドナルド・トランプ米大統領は2週間前、国民に対し、死者が数十万人に上る恐れがあるなど、今回の新型コロナウイルス危機で最も厳しい局面に入ると警告した。その後、米国内の死者数は増え続け、累計約3万3000人に達した。だが、外出禁止措置と検査の拡大により、足元では感染拡大のペースが減速している兆候が出ている。都市封鎖措置により、米経済は大きな打撃を受けている。エコノミストは景気回復は遅くなると予想。企業幹部の多くは、少なくとも1年先とされるワクチン開発が実現するまで、事業が完全には元の状況には戻らないと想定している。このため、トランプ氏は同氏にとって正念場となる2週間のさなかに、死者数以外の課題に焦点を移した。それは、経済活動をできる限り迅速かつ安全に再開することと、政権の危機対応への批判に反撃することだ。大統領に助言する政権内外の関係者への取材で分かった。