誤解を解く(2)
誤:下げ相場ではきめ細かなリバランスが必要
正:細かなリバランスは必要ない

 お金の運用にあっては、相場が大きく変動したときにポートフォリオを細かく調整しなければならないのだというイメージをお持ちの方が少なくない。例えば、外国株式と国内株式への比率を一定に保つような「リバランス」が重要だと強調する書籍もある。

 仮に、資金の50%を株式で運用し、外国株を6割、国内株を4割とするなら、総資金の30%を外国株式、20%を国内株式という比率に保ち続けなければならないとするような考え方だ。

 厳密にいうと、リバランスが必要かどうかは状況(その時々の期待リターンとリスクの予想)による。その都度計算し直して、元の比率が適当ならリバランスするといいし、別の比率がいいとなれば、元の比率にこだわる必要はない。

 一方、原則は以上であるとしても、現実には期待リターンやリスクの予想はそもそも厳密なものではないし、変更できるような確たる理由が頻繁に発生するようなものでもない。コンマの%単位でライバルと運用成績を競う機関投資家の場合はともかく、個人投資家の場合、資産Aと資産Bの比率が50:50だったものが52:48になった場合に、それが元の状態と比べてどの程度不適切なのかについては、「大差はないだろうし、確たることは言えない」というくらいの認識でよいはずだ。

 つまり、細かなバランスの変化はあまり気にしなくていい。

「きめ細かなリバランスが大切なのだ」というメッセージは、あえて言うなら、運用のアドバイザーや運用商品の提供者が自らのサービスの価値を顧客に強調するために流しているプロパガンダに近い。

 例えば、外国株式と国内株式を6:4と決めた場合、次に再投資(あるいは部分解約)するときに不足(超過)している側を多く買う(売る)という程度の対応で十分なはずだ。

 細かなリバランスは気にしなくていい。