マーケットが荒れに荒れている。国内外でざっくり3割の株価下落ともなると、個人投資家が感じる痛みも相当だろう。特に、近年、新しく投資を始めた投資家の中には、初めて「投資の怖さ」を感じている人がいるかもしれない。それでも筆者の個人的な意見としては今、株式を売るほうがいいとは全く思っていない。その理由をお伝えしよう。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
コロナショックのマグニチュードは?
まるで新興国の株価指数のよう
先週になって資本市場の底が抜けた。
3月9日の米ダウ工業株30種平均(NYダウ)の2013ドル安には、「ついに値幅で2000ドルを超える下げを見たか」という感慨があった。指数自体の値がかつてよりも大きいのだから、いつかはあるとしても、と考えていてもだ。
だが、この記録は12日の2352ドル安であっさり更新された(率でマイナス9.9%)。さらに驚いたことに、今週の月曜日16日には2997ドル安(率でマイナス12.9%)を記録した。ブラックマンデーの22%安には及ばないものの、1日当たりの値下がり率としては史上第2位だ。先週木曜日の12日が第3位なのだから、何とも急激な下げぶりだ。まるで新興国の株価指数のようだ。