生き残る企業を見極める必要
銀行は価値提供が求められる
銀行は急速に悪化する景気下においても、生き残る企業とそうでない企業を見極める必要がある。倒産ラッシュのような事態を回避するよう配慮しながらも、生き残りが明らかに難しい企業には、最終的な引導を渡さなければならないケースが多々出てくるだろう。
しかし銀行は、この状況をチャンスと捉えて取り組むべきではないか。生き残りが難しい企業でも伸びている新規事業を抱えるケースはあるし、商品クオリティが高いものの営業が不得手で、販路の拡大さえ可能なら生き残れるケースもある。そうした企業の相談に親身に乗り、会社分割や自行の他の取引先とのM&A(企業の合併・買収)、ビジネスマッチングを画策するなど、支援打ち切りを決める前に様々な打ち手があるはずだ。
銀行が取引先に価値のある多様な課題解決策を提供し、取引先が難局を乗り切ることができれば、その取引先との関係は大きく深まる。「頼れる銀行」として評価され、新たに様々な収益機会を獲得できる可能性も拡がる。現在の状況は、銀行がここ数年低下していた存在感を取り戻すチャンスともいえる。言い換えれば、そういう対応ができない銀行は、存在価値のない銀行として、取引先や社会から切り捨てられ、生き残りが難しくなるだろう。
すでに銀行は、株式市場において厳しい評価を受けている。代表的な株価指標であるPBR(株価純資産倍率/株価÷1株当たり純資産)は、1倍を下回ると株価が企業の解散価値より低く割安とされるが、1倍どころか0.1倍台の銀行が、地銀を中心に東証1部で20行超存在する(図表2参照)。これらの銀行は、少なくとも株式市場からは「投資に値せず存在意義がない」と見限られているといえる。




