『週刊ダイヤモンド』4月11日号の第1特集は、「選別される銀行」です。収益低下で崖っぷちに立たされた地域銀行が生き残りのためのビジネスモデルを模索しています。地銀は、自己変革が可能なのか。それとも、衰退への道をひた走るのか。突然の新型コロナウイルスショックで苦境に陥った取引先企業も救わなければなりません。変革に向けて苦闘する銀行の姿を追いました。

支援できるか、債権回収に走るのか
取引先企業だけでなく地銀も瀬戸際

「要らない銀行」が浮き彫りに、地銀104行ランキング
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「金融機関の本気度が試されている。ここで支援できるのか。それとも債権の保全・回収に走るのか」――。

 関東地方のある地銀の支店長は、コロナ危機で経営難に陥った企業に対し、どのように対応するのかで銀行としての存在価値が測られると強調した。

 しかし、バンカーとして取引先企業に向き合おうとする姿勢と、実際に支援できるかどうは別問題だ。不振企業を支援するとなれば、債権の貸し倒れリスクに備えて引当金を損失計上できるだけの「収益基盤」、それに加えて企業を成長軌道に戻す「再生力」の二つの要素を、当の銀行が持っていなければならない。「コロナショックは地銀をふるいに掛ける試金石」(銀行アナリスト)なのである。

 収益基盤でいえば、本業である「顧客向けサービス業務利益」(貸出金から得られる利息収入と企業や個人から受け取る手数料収入―銀行全体の経費)が黒字を維持できているかどうかが重要ポイントとなる。前出の銀行アナリストは「顧客サービス利益が赤字の銀行に、もはや取引先企業を支える貸し倒れ引当金を積む余裕はない」と分析する。

 一方、再生力は、これまでにどれくらいの数の企業再生を手掛け、健全な姿に生まれ変わらせることができたのか。その経験と実力が試されることになる。

 ダイヤモンド編集部の試算によると、顧客サービス利益が19年9月中間期に赤字だったのは、地銀104行のうち半数の52行を占める。しかも、19年3月期まで5期連続赤字となっている銀行も26行存在した。

 本業で赤字となっているという点で、もはや顧客企業の存続をサポートするどころか、自らの存立が危ぶまれる状況だ。その対極に、顧客サービス利益を改善させている銀行もあり、地銀の中で二極化が進んでいる様子が浮かび上がる。