コロナ倒産
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 帝国データバンクの調査によると、3月15日までに新型コロナウイルスによって何らかの影響を受けたことを情報開示した上場企業は749社に上ることが判明した。

 業種別では「製造業」(251社、構成比33.5%)、「サービス業」(161社、同21.5%)、「卸売業」(81社、同10.8%)と続き、具体的な影響としては、「働き方の変更」(173社)、「サービス・イベントなど開催中止・延期」(109社)、「生産活動への影響」(87社)、「営業活動への影響」(84社)などのほか、「従業員感染」(47社)もあった。

 今後も上場企業や大手企業が同様の影響を受ける事例が相次ぐことが予想されるが、そうした事象が発生した一定期間後にやってくるのが取引先や下請けにあたる中小企業への影響だ。

中小企業経営者が金融機関に殺到
金融機関も積極融資に動くワケ

 すでに新型コロナウイルスに伴う中小企業向けの資金繰り支援策として、特別貸付、セーフティネット貸付などが拡充され、都内の某地域金融機関には「連日、中小企業経営者が窓口に殺到している」(本店・審査担当者)という。

 同金融機関では、窓口対応だけでなく、営業担当者が積極的に融資先に案内に回っているそうだ。ただ、種類がいくつもあるので、どれを使ったら良いのか分からない経営者が多いらしく、「それぞれの顧客に適した支援に導くことが大切」(同)と話す。

 さらに見通しについては、「現時点においては、各種融資(運転資金)に関する相談がほとんど。既存借入金のリスケジュールについては、今後、政府の方針が固まればかつての中小企業金融円滑化法のような形で実施されるのでしょう」(同)という。

 このように問い合わせ、相談、手続き等で多忙な各金融機関だが、そうした状況にあっても、取引先に積極的に案内に回っていることには複雑な背景がある。それは今回の新型コロナウイルスに伴う政府の各種資金繰り支援が、金融機関にとって融資残高を増加させるチャンスにもなっているからだ。

 近年における地域金融機関の経営環境を振り返ると、ゼロ金利が続くなかで本業による利ざや<融資利息(収入)-預金利息(支出)>が稼げなくなり、資産(預金など)を外国債などのハイリスクハイリターン商品で運用する金融機関が増えていった。しかし、金利の変動などから相次いで巨額の損失(含み損)を計上するケースが増え、金融庁は地銀の資金運用部門に焦点を当てた検査を始めるようになった。