日本銀行Photo:PIXTA

マイナス金利政策が定着
日銀はどうするつもりか

 日本銀行が2016年1月29日にマイナス金利政策の導入を発表してから、丸4年が経過した。当初から銀行収益への打撃といった副作用が懸念され、あくまで短期の時限立法的な政策として導入されたはずだったが、長きにわたり継続し、定着してしまった感さえある。

 マイナス金利政策を継続すべきか。答えを探る上で、大きな動きが昨年末にあった。マイナス金利政策の「先輩」であるスウェーデン中央銀行が、マイナス金利政策を終了すると表明したのだ。

 スウェーデン中銀は15年2月に政策金利であるレポ金利を0%から▲0.25%に引き下げ、以来約5年間、マイナス金利政策を続けてきた。日銀がマイナス金利政策の導入を決めた際も、スウェーデンを含む欧州数カ国の中央銀行が導入していることが支援材料となったはずだ。そのスウェーデン中銀が、家計債務の膨張という副作用を主因に、マイナス金利政策からの脱却を先に決めた事実は日本にとって重い。

 筆者は、マイナス金利政策はもはや百害あって一利なしで、プラス効果がない上に副作用が多く、その副作用も危険なレベルに達しているとみている。▲0.1%の短期政策金利はゼロに戻すべきで、現状では戻しても特にプラス効果もないが害もない、と考える。