中国で精液からコロナ検出、性感染リスク巡り懸念もPhoto:Reuters

 新型コロナウイルスが感染患者の精液から検出されたことが、中国の研究者らの分析で分かった。これは性交渉で感染が広がるリスクがあることを示唆している。

 ただ、他の専門家らは、研究結果には疑問が多いと指摘している。精液にどの程度のウイルス量が含まれていたのか説明しておらず、性行為によって感染する可能性があるかについても分析していない。今回の研究は中国・河南省商丘市内の病院で行われたもので、米国医師会雑誌(JAMA)が公表した研究論文に掲載された。

 生殖関連の体液からウイルスが検出されたのは今回が初めて。その論文を読んだ医療の専門家は、コロナ予防策に安全な性行為対策を含めるべきか判断するには、さらなる研究が必要だと指摘している。

 米疾病対策センター(CDC)でコロナ対応の主任医務官(CMO)を務めるジョン・ルックス氏は「興味深い結果だ」と指摘。一方で、体の至るところでウイルスの痕跡は見られるとして、精液を通じて感染するとは限らないと話す。

 ブルックス氏によると、米国内でこれまで性行為でコロナに感染した例はまだ報告されていない。ジカ熱など、一部のウイルスは、性行為によって感染する可能性がある。