被災地ボランティアから
陸前高田市の副市長へ
人口約2万4000名中死亡者約1700名、病院、市役所、学校など全壊多数――。奇跡の一本松でも知られる岩手県陸前高田市は、津波に襲われたなかでも、もっとも被害の大きかった地域の一つです(航空写真参照)。
私は東日本大震災の大津波で壊滅的な被害を受けた、陸前高田市の副市長を務めています。前職は内閣府の官僚で、10年間霞が関で働いてきました。大震災後に休暇を取ってボランティアに入ったのが縁で、同市の戸羽太市長から「陸前高田のために力を貸してほしい」と言われ、悩みながらも「自分の国での経験が少しでも被災地のお役に立てるのであれば」とお引き受けすることにし、2011年8月より副市長として赴任することになりました。
本稿では、私の経験したことを元に、復興への課題と現状をお伝えします。