
今回は、読者の皆様から実際にいただいたご質問やご相談に、Q&A形式でお答えします。過去問対策や入試の傾向など、先入観にとらわれがちなトピックについて、知っておきたいポイントをまとめました。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之)
塾から帰ってヘトヘトな状況で
過去問をやる必要はない
Q1
忙しくて、過去問演習をする時間が取れずに困っています。
A1
小6の秋からは、通常の模試に加え「志望校別模試」や「他塾の模試」を受けるケースも増えてきて、まとまった時間が取れなくなります。さらに、「日曜日の特訓」に加えて、週に1回、過去問を提出しなさいという指示も塾から出てきます。
全てが必要不可欠のように思われますが、中途半端にやることで、せっかくの学習が消化不良になってしまっては元も子もありません。
時間に追われ、睡眠時間を削るような状況が続いて、体調を壊しそうであれば、すぐに「どれを削るか」の相談をされた方が良いでしょう。
過去問演習は、「志望校の傾向把握」と「得点状況の把握」の2つの狙いで行うものです。
後者の4科目(2科目)の合計得点を出して、合格の可能性を探るのは、入試が近づいた直前に有効です。過去問演習が始まった11月初旬くらいまでは、前者の「傾向把握」の方に軸足をおきましょう。
塾から帰ってきてヘトヘトの状況で、50分前後の制限時間を守って過去問をやる必要はありません。また、集中力を欠いた状況では、そもそも得点が取れません。
時間が取れそうにない時には、今日は大問のここまでやると「分割」してやると良いでしょう。国語であれば、「今日は漢字と説明文を25分でやる」というような感じです。