記憶にあるなかで最も落ち着かない月日を過ごしてきた欧州の人々は、ロックダウン(都市封鎖)が解かれるにつれ安堵(あんど)のため息をついている。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の次段階で大陸を待ち受ける奇妙な新しい世界は、希望よりも恐れを呼び起こしている。春のほとんどの間静まり返っていた町の広場に子供たちの遊ぶ声が戻ってきた。人が自宅にこもっている間、好奇心の強いカモやキツネ、イノシシがぶらついていた通りに、通勤者が恐る恐る戻りつつある。欧州のパンデミックの中心地イタリアでは、小売店やバーなどの飲食店が営業を再開している。ローマっ子は朝のエスプレッソをすするために外出し、新たに習得した整列という技術を披露している。大半の人がマスクを着けているが、あごに着けるカジュアルなスタイルの人も見受けられる。
封鎖明けのイタリア、ニューノーマルに不安
ロックダウンが緩和された欧州各国では人々が外出し始めたが、先行きは不透明
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