居眠り姿が放映され
家族に病気を心配された
「パパって、睡眠時無呼吸症候群なんじゃないの」
中学生の愛娘に指摘され、ケンゾウさん(仮名:44歳)はドキッとした。
きっかけは数日前に行われた某武道の全国大会でのことだ。高校、大学と部活に入り、就職してからも大学に顔を出し、連盟の役員も務めているケンゾウさんは審判の一員として本部席に座っていた。目の前では白熱した試合が展開されており、一瞬たりとも目を離せない状況だ。「まばたき禁止」の場面である。
ところが、あろうことかケンゾウさんはウトウトと居眠りを始めてしまった。腕組みをして目を閉じ、何事か思案しているかのように頷きながらこっくりこっくりと眠る。子どものころから居眠り癖があり、よく怒鳴られてきた経験から培った“技”だ。パッと目を開け、「いえ、眠ってませんよ。考えごとをしていただけです」とごまかすために習得した。
ただし、開けた瞬間、目は真っ赤に充血しているので、熟睡していたことはバレバレなのだが、本人は気付いてない。