そればかりか、挺対協とユン前理事長はこの物件を7億5000万ウォンで買い、1億ウオンの改装費をかけながら、イ・ヨンス氏の告発の翌日、購入価格を大幅に下回る4億2000万ウォンで売却した。

 この不可解な不動産売買について、背後に何か隠さなければならないことがあるための隠蔽工作だとの見方が広がった。通常価格を大幅に上回る価格で購入し、売買を仲介した安城新聞代表だった李圭閔(イ・ギュミン)氏との間で裏取引が行われたのではないかとの疑惑へと発展している。

 この不動産売買疑惑が発覚して以降、韓国世論の正義連、ユン前理事長に対する見方が大きく変わった。

 世論の雰囲気を察知したのか、ユン前理事長の態度も変わってきた。

 20日付のハンギョレ新聞では、元慰安婦のイ・ヨンス氏が同日、「(ユン前理事長が私のところに)来て膝をついて許しを乞うているが、いったい何の許しを乞うているのか私には分からなった」と述べたと報じている。

 さらに、一部のメディアでは19日、ユン前理事長がイ・ヨンス氏と韓国大邱市(テグ)で面会し、「イ・ヨンスさんが涙を流してユン前理事長を許した」と報じた。だが、イ・ヨンス氏は「(ユン前理事長が)一度抱きしめてほしいというので、一度やってあげた」「そうしたら、年寄りで気持ちが弱くなっているせいか、涙が出てきた。ただそれだけだ」と述べ、ユン前理事長側の「イ・ヨンスさんがユン前理事長を許した」との説明を否定した。

 イ・ヨンス氏は25日、記者会見の開催を予定しており、新たに正義連やユン前理事長についての疑惑が出てくるか注目されている。

ユン前理事長に対し
韓国政府も関与を始める

 そもそも、正義連はイ・ヨンス氏が高齢のせいで記憶が歪曲されていると、イ・ヨンス氏の人格を否定した。そして、ユン前理事長は自分が曺国(チョ・グク)前法務部長官に対するバッシングのような仕打ちを受けていると、被害者のような態度をして開き直っていた。

 しかし、ユン前理事長はマスコミの追及が厳しくなり、不正疑惑が広がってくるとイ・ヨンス氏を訪ねて許しを乞うている。

 何も悪いことをしていないと開き直るのであれば、なぜ膝をついて許しを乞わなければならないのか。イ・ヨンス氏が「許した」とマスコミに公表しなければ、自分を守ることができないと考えたからではないのだろうか。

 陳永(チン・ヨン)行政安全部長官は19日、国会行政安全員会に出席して、「正義連に22日までに証明資料を提出するよう要求した」「違法や不当な場合があれば妥当な措置を取りたい」と述べた。

 韓国の法曹界では、告発内容が事実と確認されれば、寄付金・交付金の使用や会計不正に絡む横領容疑と、ソウル郊外の京畿道安城市にある建物の購入に絡む業務上背任行為の2つについて、法的に追及できるとみているようだ。