中国は過去30年近くにわたって求めてきた台湾との「平和的な」関係や「平和的な」統一を目指す考えを棚上げし、より強硬な姿勢で臨む姿勢をほのめかした。中国の李克強首相は22日、政府活動報告で、「台湾独立を目指す分離主義的な行動には断固反対し、阻止する」と改めて表明した。台湾の蔡英文総統はそれに先立つ20日、2期目の就任演説で、中国政府に対して台湾の主権と民主主義を尊重する形での対話を呼びかけていた。中国は台湾を自国領土と考えており、主権を認めていない。李首相は蔡総統の発言に対する公式見解は示さなかったものの、新型コロナウイルス封じ込めに関する功績で国際的な評価を競う中、同氏の発言は中台間の緊張が高まっていることを浮き彫りにした。