私は観客席(スタンド)の一番上で背もたれに寄りかかっていた。周囲には「クアーズ・ライト」の空き缶7個が散らばり、胃の中にはホットドッグが8個分詰まっていた。なぜこんなことになったのか思い出そうとした。どれだけ気分が悪くても、頑固に続けようとした理由を。決して大酒飲みではないし、ホットドッグが無性に食べたかった記憶もない。そう、「9-9-9」にチャレンジしていたのだ。今や野球場の伝統となったこのチャレンジは、1試合の間にホットドッグを9個食べ、ビールを9杯飲むというものだ。米大リーグ(MLB)のニューヨーク・メッツ対アトランタ・ブレーブスの試合で、これに挑戦するグループがいると知り、同行させてほしいと頼んだ。心臓専門医なら誰もが反対するだろうが、挑戦することにした。