
「朝起きても疲れが取れない」「仕事中に集中力が続かず、頭がぼんやりする」――。こうした感覚は、単なる睡眠不足や過労が原因だと片付けられがちですが、実は血管の不調が関係しているかもしれません。「動脈硬化」「高血圧」「細胞の老化」の予防が期待される成分が含まれる食材とレシピを教えてくれるのは、YouTubeチャンネル登録者数64万人をほこる料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんです。(文/関口絢子)
仕事のパフォーマンス低下と
「血管の老化」の関係
私たちの血管は、年齢を重ねるにつれて、あるいは不規則な食生活、運動不足、喫煙、ストレスといった生活習慣の乱れによって、少しずつその機能が衰えていきます。
年齢を重ねたり、生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常など)や喫煙・肥満といった要因が重なると、血管の内側を覆う内皮細胞はダメージを受けます。酸化ストレス(活性酸素)や慢性的な炎症が蓄積することで、血管はしなやかさを失い、修復力も低下します。これらの変化が、いわゆる「血管の老化」の正体です(※1)。
血管の老化が進むと、動脈硬化が進行します。
血管の老化現象である「動脈硬化」。これは、高血圧などが進展を促す一因とされています。動脈硬化とは、本来は柔軟な動脈が弾力性を失って硬くなる状態のことです。
この動脈硬化が心臓や脳の血管で進行した場合、血流が悪化し、心筋梗塞や脳梗塞(脳卒中)といった、命に関わる重大な疾患につながるおそれがあります(※2)。