米メタ・プラットフォームズは今年の夏、人工知能(AI)分野のスター人材の採用に巨費を費やした。今度はそうした人材に新しい同僚と協力して仕事を進めさせるという難題に直面している。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が高額な報酬で採用した人材の一部は、すでに他のAI研究所に転職している。既存の社員は、再編されたAI組織内での新しいポストを得ようと画策したり、新しい同僚が高給で採用されていることを受け、昇給を要求したりしている。少なくとも、数百万ドル相当の報奨金を受け取ったある社員は、新規採用者の報酬の方がなお数倍高いと考え、退職した。メタの報酬は巨額で、同社の時価総額は2兆ドル近くに達するかもしれない。しかしメタは根本的に、典型的な経営課題に直面している。それは、いかに一流の人材を採用・維持しながら、既存社員の満足度を保ち、組織全体の調和を維持するかというものだ。