世界屈指の高級ブランド各社は欧州の伝統を重んじる。だが、その未来はこれまで以上に中国への依存を強める傾向にある。この矛盾が長期的にどのように表れてくるにせよ、差し迫った問題はホームグラウンドである欧州に散らばる多数の店舗だ。コロナ危機がビジネスモデルをどのように変えるのかについては全く不透明だが、デザイナーブランドが中国人買い物客と中国国内店舗の売り上げにこれまで以上に依存することになるのは間違いなさそうだ。新型コロナウイルス流行の影響を受ける以前に、ハンドバッグ「バーキン」で知られる仏エルメスやトレンチコートで有名な英バーバリーなどのブランドは既に、世界全体の売り上げの3分の1以上を中国人消費者から得ていた。中国人は2011年、米国人を抜いて国籍別にみた高級品ブランド購入額でトップに立った。今回の危機で、中国の消費者が欧米の消費者よりも早く高級なハンドバッグや時計への消費意欲を回復させ、この傾向をさらに加速させるかもしれない。バーバリーは22日、2020年3月期の暫定決算を発表し、再開した中国本土の一部の店舗では、買い物客が列をなしていると明らかにした。
欧州高級ブランドの中国頼み、かつてない水準に
2025年までに世界の高級ブランド販売高の49%を中国人が占めるようになるとの推計も
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