香港の国家安全法制定を巡って米中の緊張が高まる中、その渦中に米企業が巻き込まれるのは必至の情勢だ。世界的な金融・貿易ハブである香港に拠点を持つ企業は、1年に及ぶ激しい反政府デモや新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で既に打ちのめされていた。そこへ米中が火花を散らす状況となり、長期的な不透明感がさらに増している。企業の業務運営に支障が生じかねず、将来の香港事業に影を落とすことが懸念される。中国は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で先週、香港の統制強化に向けて香港国家安全法の導入を決定。これを受け、ドナルド・トランプ米大統領は5月29日、香港の自治が守られなくなったとして、香港に与えている優遇措置を撤廃すると表明した。アナリストの話では、輸出規制や関税、査証(ビザ)発給制限などが課される可能性がある。だがその詳細やタイミングについては今後の発表を待たなければならない。
香港巡る米中対決、米企業が身構えるダメージ
ビジネスに支障きたす恐れ 世界的金融・貿易ハブの将来に疑問
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