離婚は泥沼のプロセスになりかねず、カネもかかる。独立と心の安らぎを得る見返りとして、資金面での代償を伴う。目の前で起こりつつある米中の「破局」も、それと何ら変わりはなさそうだ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)や中国による香港への統制強化を背景に、欧米諸国では中国からの経済的なデカップリング(分離)を求める声が高まっている。ドナルド・トランプ米大統領は5月、「(中国との)関係自体を断つ」ことも辞さない構えをみせた。フランスやオーストラリアも中国に対する深い懸念を表明している。ロイター通信の報道によると、米国は250億ドル(約2兆7000億円)に上る「(製造業拠点の)本国回帰基金」を検討しているとされるほか、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への締め付けも加速させている。米国はさらに、国内ハイテク企業や大学への就職・留学を目指す中国人エンジニアや学生へのビザ承認を遅らせるか、取り消すなどして、米中の人材交流も標的にしている。
中国との「離婚」、米国は高い代償を支払えるか
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