閑散とした地域商店街の活性化、新しい男女の出会いの場を創出するイベントとして生まれた「街コン」が今、大都市圏で激増している。東京都内では、週末にはなんと10ヵ所以上での開催も珍しくないほどの花盛りだ。しかし、一方では「単なるブームに終わるのでは?」という冷ややかな声も聞こえてくる。果たして街コンは、定番イベントとして定着していくことができるのか。実際の街コンに潜入しながら、その可能性を探った。

キャンセル待ちも当たり前!?
女性参加者激増の「街コン」に潜入したら…

都心で激増の「街コン」は本当に街を盛り上げている?<br />適齢期女性が群がる“ブーム”の行き着く先「渋コン」の受付に並ぶ参加者。受付開始直後は女性ばかりが並び、男性よりも女性のやる気を感じた。

 7月のある週末、午後1時半頃。渋谷・道玄坂周辺で渋谷の街コンこと「渋コン」が500人規模で開催された。参加店舗の1つであるイタリアン「シブヤガーデンハナ」には、わりとカジュアルな装いながら、新たな出会いに意気込む男女約80名が集まっている。

「テレビで街コンを見て、友達とこれは行くしかない!ってノリになって。合コンと違って全く知らない人に出会えるからいいですよね」(30歳男性)

「今まで三軒茶屋コンと大宮コンに行っていて、これで3回目。(友達の)輪が広がればいいなと思って参加したんです」(20代女性)

 男女が同性2人以上1組で参加するのが一般的になりつつあるこの街コン。指定された数店舗を回遊しながら、異性の参加者と交流するのが基本的な流れだ。店舗では座る場所をある程度指示されるのが一般的だが、今回潜入した「渋コン」は立食スタイルで、特に座席の指定等はない。そのため開始すぐは様子見ということか、一緒に来た友人同士で話をする姿が目立つ。

 スタートからおよそ30分。記者が「このままじゃ出会いにつながらないだろうな…」と業を煮やしていたときだった。目の前にいた男性2人組がすっと立ち上がり、近くにいた女性2人組に声をかけたのだ。それから第1店舗の終了までの約1時間、その男女4人の会話はとても盛り上がり、終了間際には連絡先の交換に至っていた…。

 こんな男女の出会いをカジュアルに演出する「街コン」が今、首都圏を中心に激増している。今回、「渋コン」を主宰した株式会社Scandii 街コンシェルの原淳社長は、現在の“街コンブーム”の盛り上がりについてこう語る。

「今、首都圏だけでも土日に10ヵ所以上で開催されていますが、渋谷なんて特に激戦区。“渋コン”と名のついたものだけで10団体くらい参入していますよ」

 開催数が増えるのに伴って、参加者もどんどん増加している。6月に行われた「恵比寿コン」はなんと2000人を集め大成功と、大規模な街コンでも参加者が引きも切らない。また、原氏によると、軒並みキャンセル待ちも出ており、大阪・梅田で600人規模にて開催された『大阪キタコン』は、女性の定員300人のところ、500人もキャンセル待ちが出ているほどだというのだ。