米中関係が悪化し、経済的な結び付きが脅かされていても、米国の投資家にはまだ、中国の国債市場に長期的な投資機会が残っている。金利と経済成長見通しの低下を背景に、米国債を含めほとんどの国債相場は今年、上昇している。中国国債は注目すべき例外で、あまり動きのないドイツ国債や日本国債に近い。だが、日本国債やドイツ国債と全く異なり、中国国債の利回りはマイナスではない。中国の10年物国債の利回りは2.89%となっている。そして買い持ち型の投資家にとっては、今後何年にもわたりリターンを期待できる立派な理由がある。その理由とは、経済見通しが有望なことではない。むしろ、中国の現状が日本の置かれた悪い状況にあまりに似ていて、利回りの継続的な低下が見込めるからにほかならない。