米首都ワシントンで25日、デモ隊がエイブラハム・リンカーン元大統領の奴隷解放記念碑を倒すことを計画している。キャピトルヒルのリンカーン公園には、南北戦争中の1863年にリンカーン元大統領が奴隷解放を宣言したことを記念して1876年に建てられた銅像がある。ひざまずいた黒人男性の手かせが壊され、傍らに立つ元大統領がそれを見下ろしているこの像は、パターナリズム(家父長主義)的な印象を与えるとして長く批判されてきた。奴隷所有者や南北戦争時の南部連合指導者、白人至上主義擁護者などの像が米国各地でデモ隊の標的となる中、この像を撤去しようとする試みが計画された。銅像撤去をもくろむデモ隊は、23日夜にリンカーン公園に集まり、像のデザインについて、黒人の努力ではなくリンカーンの博愛心のみが米国の奴隷制を終わらせたかのように見えるとして抗議した。デモの主催者は、像を台座から下ろすため25日夜に再度集まる計画だと述べた。