5月初旬、新型コロナウイルスはブラジル有数のスラム街ロシーニャのアレイ24にひしめく家々を襲った。イバネテ・ディアス・デ・カルバリョさんの親族35人のうち20人に、新型コロナウイルス感染症の症状が出た。検査を受けられた者はほとんどおらず、65歳のおばは亡くなった。感染は拡大している。リオ全体で公式な死者数は6000人に近づいている。人口2億1000万人のブラジル全体の死者数は5万1000人超、感染者は110万人に達した。これを上回るのは米国だけだ。実際の死者数が公式統計よりはるかに多いのは確実だと公衆衛生の専門家らは話している。中南米はコロナの世界的大流行の新たな中心地で、200万人超が感染し、10万人が死亡している。この地域が世界人口に占める割合は8%だが、過去2週間に記録されたコロナ死亡者の47%を占めている。
コロナ禍が打ちのめす中南米、貧困国への警鐘
新たな中心地となった中南米、他の途上国が追随の懸念も
有料会員限定
あなたにおすすめ