米マイクロソフトの店舗はひところ、目的を果たしていた。だが新型コロナウイルス感染のパンデミック(世界的大流行)時代に入り、費用がかさむショールームを正当化するのは難しくなってきた。マイクロソフトは26日、全直営店を恒久的に閉鎖すると発表した。ウイルス感染が拡大して以来、店舗は休業状態だった。同社は小売り戦略の転換を妥当とするに十分な販売がオンラインに移行し、十分な製品ポートフォリオが「ほぼデジタル経由の提供に進化した」と述べている。店舗閉鎖に伴い、4-6月期に税引き前で4億5000万ドル(約480億円)の費用が計上される。小売店の従業員は新たな販売、研修、サポート業務に配置換えとなる。マイクロソフトが直営店第1号をオープンしたのは2009年のこと。洗練された立地にガラス張りで木目調の内装のブティックを展開したアップルの成功を、あからさまにまねたかのような動きだった。それでも、タブレット型端末「サーフェス」など、人目を引く製品群を展示する方法を必要としていたマイクロソフトにとって、この動きは理にかなっていた。当時は年間のフリーキャッシュフローが200億ドル近くに上り、資金的な余裕も十分あった。
マイクロソフトも降参、実店舗という「ぜいたく」
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